昔の話 最終話1 (葬儀屋) 検視と内臓
12日目の朝
自分は会社の前で立っていました
今日、社長に辞める事を言うか、それとも言わないか
迷って中に入れませんでした
せっかく就職出来たのに辞めて、また一から就職をしなおすのは
大変です、社長に負けて逃げる感じになるのも嫌でした
その事が昨日決めた決心にブレーキをかけていました
まだ決心が鈍ってるから
取り敢えず今日は言うのを辞めようと心に言い聞かせ扉を開けると
奥さんしかいませんでした
自分は
「おはようございます。社長は何処ですか?」と聞くと
奥さんが
「おはよう。もう裏で待ってるわよ」と言われて
急いで裏に行くと社長が黒いワンボックスの運転席に座って
待っていました
急いで助手席に座り
「おはようございます」と挨拶をすると
社長が笑いながら
「おはよ、今日は貴重な体験が出来るぞ、楽しみにしておけ」と言い
走り出し
後ろを見ると
遺体が積んでありました
自分はまたか、これ以上何があるんだと思いながらも
何があるかは聞けませんでした
走ること一時間くらいして倉庫街に着き
四角い建物が見えて来ました
◯◯◯監察医施設と言う看板が見え
その敷地内に入り、中には警察関係の車が数台見えました
駐車場に車を停め自分と社長が降りて
「待ってろ」と言われ
社長は施設の中にはいって行きました
そうか社長の言って事は今から検視が見られる事を
言ってたのかと思い待っていると
社長がストレッチャーを押して戻ってきました
自分と社長は遺体を乗せ施設の中に入りました
長い廊下があり横の壁は腰から上がガラス張りになっていて
中が見えました
少し狭い灰色の体育館みたいになっていて
窓は3mぐらいの高さにしかなく全体的に暗い感じでした
扉がある所に行くと横に半透明の手袋とマスクが置いてあり
社長が
「これをつけろ」と言ったので身に付けて
扉を開けると白衣を着た人が二人待っていました
監察医です
監察医は
「その遺体この台に乗せて白い布のとって」と言われ
鉄の細いベットの台に乗せて
白い布を取りました
そしたら見覚えのある顔が出て来ました
最初に出会った男の遺体です
自分と社長は白い布を取り後ろに下がろうとしたら
社長が背中を押して
「これからお前は監察医のお手伝いをするんだ
神奈川県の葬儀屋は皆そうしてる他の県知らないけどな」と言われました
自分は遺体の真横に着き
監察医が
「今日始めて、大丈夫、ただ持ってもらうだけだら、気持ち悪くなったら言って」と言われ
自分は
「はい」としか言えませんでした
監察医がメスを取り出し胸の所からお腹の所まで一直線に切り
次に鎖骨の下の辺りも一直線に切り丁度Tみたいな切り方になり
胃の辺りから両手を入れ思いっきり開きました
ベリベリと音がして肋骨向き出しになり他の内臓も見えました
監察医が内臓に手を入れ胃を取り出し目視したあと
自分に渡し
「そこの計り機で計って何gか教えて」と言ってきました
一瞬もどす物を感じましたが、迷惑かけちゃいけないと思い
喉の所まで来た物を呑み込んで
計りで重さを言い、計った内臓は鉄のお盆に並べました
次から次えと内臓を渡され計って行きました
たんたんとした作業でした
内臓が半分ぐらい無くなった所で監察医が「心不全だな」と言い
自分を見て
「お盆に入った内臓ちゅうだい」と言われたので
お盆を渡したら適当に流すように内臓を入れました
内臓を押し込めて開いた皮を戻し糸で適当に縫い込んで
監察医が
「はい、お終い」と言い
二人の監察医は
「あと何体あるんだよ面倒くせーな」と
笑いながら帰って行きました
遺体に一回も手を合わす事なく
自分と社長は血で汚れた遺体を洗いながら
人は遺体に慣れるとこんなにも遺体に対して冷たくなるものかと
思いながら遺体を綺麗にして
今度は白い布じゃなく白い浴衣を着せて
遺体を車に積み込みました
社長がタバコを出し火をつけ
「どうだ、普通じゃ経験出来ない事をやったんだぞ、人の内臓を
持つなんて滅多に出来ないぞ」と
社長が手で持つ仕草をして自分の方を笑いながら見てました
自分はまた胃から戻るの感じ必死に堪えて
「はい」としか返事が出来ませんでした
社長が吸い終わり
車に乗り自分が「会社に帰りますか?」と聞くと
社長が「いや、火葬場に行け、この死体燃やすぞ」......続く
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